2014年8月2日土曜日

Memorandum

<夏目漱石>「個性磨け」懸賞小説落選の女性に励ましの手紙


毎日新聞 8月2日(土)15時1分配信


夏目漱石


 ◇「弟子になるのは私の書きぶりを真似る為ではありません」


 文豪、夏目漱石(1867~1916年)が、新潟県に住む女性に宛てた手紙が見つかった。懸賞小説に落選した女性に対して師弟関係のあり方を説き、「御弟子になるのは私の書きぶりを真似(まね)る為ではありません」と自らの個性を磨くように励ます内容。当時、胃を患って入院中にもかかわらず書き送った漱石の優しさがにじみ出ている。


 岩波書店の元編集者で漱石研究家の秋山豊さんは「筆跡も文面も漱石に間違いない。この女性は弟子というより愛読者の一人だろう。一般的には気難しいと思われがちだが、実は常に親身だった漱石の面目躍如だ」と話す。


 手紙は、美術批評家の海上(うながみ)雅臣さんが今年5月、新潟県の古美術商から購入した。日付は1910(明治43)年12月6日で、宛先は現在の新潟県長岡市の「曹泉寺 長谷川達子様」。同年7月の漱石の日記には、長谷川が見舞いに訪れた記述があり、面識はあったようだ。


 同年1月3日、大阪朝日新聞(当時)が1万号を記念して文芸作品を募集。長谷川はこれに応募したとみられ、07年に朝日に入社した漱石が審査委員を務めていた可能性がある。


 漱石は「大坂の小説は御落選だそうです(略)当撰したつて別段名誉でもありません」とつづり、さらに「夏目さんの弟子になつても利益がなからうと云つた人の言は真面目な助言なのでせう。真面目な助言を怒るものではありません。取捨はあなたの権利にある事です」と長谷川をなだめている。


 秋山さんは「『それから』の代助が三千代に愛を告白する前段の『最後の権威は自己にあるものと、腹のうちで定めた』をほうふつとさせる。表現者としての出発点を伝えたかったのではないか」と漱石の心境を分析する。


 長谷川について、曹泉寺の鈴木道雄住職は「当時は寺に住み込みで、台所などで働きながら修行している人が複数いたと聞く。その一人ではないか」と話す。【鶴谷真】



☆漱石さんは、自分の体調も良くないなか、本当に多くの市井の人に優しく暖かい。ここで、さらにもう一つ、新たなエピソードの追加ですね。


☆「取捨はあなたの権利にある事です」 Great!


☆漱石さん関係の、最近の毎日新聞の仕事には目を見張るものがある。敬意を表したい。


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